ブセファランドラは水中で育てるもの、というイメージが強いですが、実は水上でも育ちます。それどころか、自生地では季節によって水没と水上を繰り返しているのが本来の姿です。パルダリウムやテラリウムでの利用も含め、水上栽培の考え方を整理します。
こんなお悩みありませんか?
- ブセファランドラは水中専用の植物だと思っていた
- パルダリウムに使いたいが、水上でちゃんと育つのか不安
- 水上葉と水中葉で何が違うのか分からない
結論:自生地では、そもそも水没と水上を繰り返している
ブセファランドラの自生地であるボルネオの渓流沿いは、増水期に水没し、渇水期には水上に出る環境です。つまり水上栽培は特殊な育て方ではなく、この植物が本来持っている生態にそった育て方の一つです。
別記事で説明した通り、ブセファランドラは渓流の岩に着生する植物で、季節による水位変動の中で生きています。増水期は水中葉、渇水期は水上葉に切り替えながら生育するため、水中・水上のどちらか一方でしか育たない植物ではありません。
水上葉と水中葉の違い
水上葉は水中葉に比べて葉が厚く、光沢のある質感になりやすい傾向があります。逆に、青いラメのような構造色は光の当たり方の違いから水中と見え方が変わることがあります。どちらが「正解」ということはなく、環境に適応した結果の違いです。
水中から水上、水上から水中へ切り替える際は、既存の葉がその環境に合わず溶け落ち、新しい環境向けの葉に入れ替わることがあります。これは別記事で扱った溶けの原因のひとつと同じ「環境への順応シグナル」で、株が死んでいるわけではありません。
水上栽培のやり方
- 湿度を保てる容器(パルダリウム・テラリウム・密閉できるケースなど)を用意する
- 石や流木に活着させたままの株を使うか、水苔を薄く巻いて保湿する
- リゾームや成長点を土や水苔に埋めない。水中栽培と同じく、露出させたまま管理する
- 直射日光を避け、明るい日陰程度の光量にする
- 乾燥しすぎないよう、こまめに霧吹きで水を与える
水中栽培と同じく、リゾームを埋めないことが最も重要です。水上でも着生植物であることに変わりはなく、土や水苔に埋めてしまうと水中と同様に傷みやすくなります。
水中に戻すときの注意
水上で育てた株を水中に戻す場合、水上葉の一部が溶けて新しい水中葉に置き換わることがあります。焦って抜き上げず、根の色で生死を判断してください。白くしっかりした根が残っていれば、水中葉への切り替えが進んでいるサインです。ブセファランドラは成長が遅い植物なので、切り替えにも数週間〜数ヶ月かかることを前提に管理してください。
まとめ
ブセファランドラの水上栽培は、特殊な裏技ではなく自生地の水位変動にそった、この植物本来の生態です。リゾームを埋めない・湿度を保つ・光を強くしすぎないという原則は水中栽培と共通しています。パルダリウムやテラリウムでの利用にも十分適応できる植物です。
よくある質問
水上と水中、どちらのほうが育てやすいですか
どちらが優れているというより、管理できる環境に合わせて選ぶものです。湿度管理ができるならパルダリウム、水槽の景観を重視するなら水中栽培が向いています。
花は水上でしか咲きませんか
ブセファランドラは水上管理のほうが開花しやすいとされています。水中では常に見られる現象ではありません。花のつくりや咲いた後の切り方はブセファランドラの花|咲き方と、咲いた後に切るべきかで解説しています。
水上栽培に専用の土は必要ですか
特別な用土は必要ありません。ブセファランドラは着生植物なので、土に植えるより、水苔を軽く巻く程度か、石・流木に活着させたまま管理するほうが自然な形に近づきます。